採用の新潮流「RPO(Recruiting Process Outsourcing)の可能性」
‐RPOとは?‐
RPO(Recruiting Process Outsourcing)という言葉をご存知でしょうか。
企業が人を採用する際に発生する業務の一部を代行してくれるサービスのことを、RPO(Recuruit Process Outsourcing )といいます。
1人の社員を採用するのにかかる時間的工数は、約40時間といわれています。1日8時間勤務の企業であれば、1週間全ての業務を費やさないと1人の採用ができないという計算になり、仮に10名を採用しようとすると約400時間がかかってしまい、1年の約4分の1がかかってしまうことになります。
本来であれば人事は、採用戦略や採用ブランドの構築、人員配置やタレントマネジメントの導入・運用による人材の適切な配置や活用、経営課題を人材によって解決していくための戦略立案などに時間をかけたいところです。しかし、実際は求人票の作成や応募をしてもらうための活動、面接の日程調整や社内外含めたステークホルダーとのやり取り、書類選考や人事面接、内定通知書や雇用契約書などの作成業務などで時間を削られています。
RPOは、人事が本来すべき「人を活用して経営課題の解決、強化をしていく」生産的な時間に集中ができるように、採用における業務を代行してくれるサービスなんです。
‐具体的なRPOの領域‐
参考までにRPOが代行できる業務を採用フローの中からざっくりとご紹介します。
採用業務は大きく以下のフローで区分けされます。
・母集団形成
- 採用要件の決定(募集する人物像や必要経験の有無、条件等)→RPOが転職マーケット、採用企業の採用力を鑑みアドバイスします。
- 雇用条件等の求人票の作成→RPOが代行作成します。
- 求人を広く認知し、応募してもらうためのチャネルの選定。→人材紹介エージェントのコントロールやダイレクトリクルーティングを活用した採用業務もRPOが担います。
・選考
- 書類選考→募集する人物像や経験に応じてRPOが代行します。
- 面接(1回~3回)
- 適性試験
・内定フォロー
- オファー面談→RPOがやる場合もあります
- クロージング→RPOがやる場合もあります
‐採用業務にRPOを導入するメリット‐
- 繁雑な業務を削減でき、本来人事として取り組むべき業務に集中できる。
- 必要なKPIのみ管理ができ、そこから見えてくる採用の本質的課題に対したアクションを行える。
- 費用対効果の高さが結果として見えてき、採用業務に必要な施策、アクションが具体的に見える。
‐RPOの今後の可能性‐
現状はオペレーティブなRPO導入がメインとなっていますが、今後は戦略立案や採用ブランディングの立案、採用広報等、企画や立案寄りのRPOも増えていくのではないかと思っています。
ここ数年で、企業は戦略的な採用体制や取り組み、フローの構築などが求められる時代になってきました。
人出不足や働き方改革やIT導入による労働時間の削減等、本来すべき重要な業務に集中せざるを得なくなってきている中、
その重要な業務に集中できるよう今後も導入が進みそうな領域で、マーケット的にも伸長しそうな予感がします。
我々含めてRPO事業の拡大をしている各社は、その中で、より専門分野が求められる企画、立案に対して具体的な価値提供ができるように戦略を練っていく必要があります。
この領域はこれからもまだまだ改善や新たな活用の方法が見いだされる可能性があるため引き続きウォッチしていきます。
またレポートします☆